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10月23日応用コースの1日目が終了しました。内容の速報をお届けします。

参加者19名
「資料の収集、評価・選別、管理と活用」
講師:麗澤大学大学院 教授
佐藤 政則

 日本金融史の研究者である講師が、企業(製造業)から年史編纂に向けた文書資料の整理(目録作成)業務を委託され、実際に工場等にも足を運んで各所に保存されている生の史料に触れながら作業を進めた経験をベースに構築した、企業アーキビストを早期に要請するための基本トレーディングの方法論について、順を追って講義された。
 そのうえで、各企業で自社(自組織)のアーカイブズ構築に携わるアーキビストは、その過程で得たノウハウをビジネス化するくらいの勢いで社外へも積極的に打って出て欲しい、とのエールを送っていただいた。

記:大日本印刷株式会社 村田 孝文 

10月15日入門コースの3日目が終了しました。内容の速報をお届けします。

参加者24名
「企業制度の発達と企業史料」
講師:東京大学大学院経済学研究科 教授
武田 晴人

 企業制度が明治〜昭和へと確立していく中でどのような企業史資料が残存しているか、普段なかなか知ることのできない内容で、入門コースならではの講義で興味深かった。当時は史資料を積極的に残すというよりも、制度上残さざるを得ない時代で、残されている史資料も限られるのだろう。主な情報交換手段である書面や書簡などが資料として残っていて、企業情報以外に書面から見え隠れする人間的な側面もアナログ時代ならではで、興味深く、歴史推理でもするように紐解きをする面白さも過去史資料を扱う楽しみのひとつであろうと思う。講義の最後の史資料整理のコツにある「足で探す」はアナログ情報だけに限らず、オンライン上の資料収集にも同じことがいえる。ネット情報社会のデジタル空間上で「足を運び」、様々な部門や関連会社の情報に絶えず目を光らせ、ネットワーク作りを日ごろからしておくことがメディアが変わっても大切のように思う。

 三週の入門コースを終え、アーキビストの総論ともいえる講義でどれも興味深かった。講義内容のすべてが即、アーキビストのビジネスに直ちに直結していなくても、この三講義は少し視野を広げて、史資料に向き合うテーマの中から、国際的な観点や日本の明治、大正、昭和の過去の時代に目を向けさせる数少ない時間であったように感じられる。次の応用編への序章としてもとても有意義であった。

記:凸版印刷株式会社 檜垣茂 

10月8日入門コースの2日目が終了しました。内容の速報をお届けします。

参加者24名
「レコードマネジメントとアーカイブズ」
講師:株式会社出版文化社アーカイブズ研究所 所長
小谷 允志

 レコードマネジメントとアーカイブズの講演内容で、日本の文書管理、アーカイブズの現状をていねいに解説いただき、とても参考になった。日本のアーカイブズは、それほど後進国だったのかと改めて思ったことだ。少し前までは、私が読んだ書物にも、レコードマネジメントというとファイリングの方法や、什器の紹介などが中心で技術論的な話が多かったように思う。現在は法律も定められ、史資料の選別や評価、保管などのソフト面の重要性にスポットが当るようになっている。とはいっても日本の企業では、アーカイブズへの関心度は低い。企業にとって社会問題にまで表面化された、ある事件の要因がアーカイブズの基本を怠ったことが原因と分かっているにも関わらず、企業側の論理ではたまたま、特異なこと、として捉えるだけでアーカイブズの重要性を論議するまで至らないのが現状のように思う。アーカイブズを利活用することの誰もが認めるメリット、役割を企業の中で見いだせないまま、本気になって取り組むことの出来ないのだろう。とても難しい問題で、少しでもアーカイブズに携わる人間として様々な業界の方の意見を参考になんとかその方向性を、少しでも早く見出して行きたいものだ。

記:凸版印刷株式会社 檜垣茂 

10月1日入門コースの1日目が終了しました。内容の速報をお届けします。

参加者25名
「アーカイブズの意義とアーキビストの役割」
講師:学習院大学大学院人文科学研究科 アーカイブズ学専攻
安藤 正人 教授

 海外のアーカイブズ状況から日本の現況までのアウトラインで、事例を織り交ぜたわかり易い講義だった。社会的側面から事例に挙げられていた身近な年金問題や中国残留孤児問題は、根本的に記録する精度が極めて低い上にチェック機能が乏しかったことに起因する出来事ばかりである。過去の戦争の敗因を検証したある書籍に、日本軍は過去のデータや戦歴を参考にせず精神論で突き進んだことにひとつの敗因があることを紹介してあった。日本人は過去の出来事を正しく残す、そして記録を次へ活かすことが苦手なのだろうか。
 昨今、国や企業でアーカイブズが注目されている。「文化資源」、「社会資源」、「組織資源」の三つの資源性をもつアーカイブズを正しい方向に向かわせ、活かしていく「アーキビスト」の果たす役割は、アーカイブズが社会的に認知されるにつれ、より大きなものになるように思う。「アーキビスト」という専門家が史資料を評価、選択することで組織や国の「歴史=方向性」そのものを作っていくことになり、一面危うさも備えているように思うからだ。その意味で、アーキビストの資質はたいへん難しいものになるような気がする。2011年に施行された国の「公文書館理法」にある「四つのアビリティー」は史資料に携わる企業人として心に留めておく大切なことのように思う。

記:凸版印刷株式会社 檜垣茂 

『企業アーカイブズの理論と実践』 企業史料協議会編 丸善プラネット発行 2013年


 「企業アーカイブズ」とは何か。何の役に立つのか。活用するために、具体的には何をすれば良いのか。経営陣にも現場担当者にも、その手引きとなるのが本書である。
 
 本書は「企業史料の社会的・歴史的価値の重要性を認識し、会員相互の交流、企業史料の収集・保存・管理の調査研究とその水準の向上等をはかること」を目的に1981年に設立された企業史料協議会が、2006年に刊行した『ビジネスアーカイブズ入門ガイド』を元に、現在のデジタル環境等も考慮して内容を一新したもので、研修でも主要な参考文献として紹介されている。

 「理論編」第1章〜第5章と「実践編」第6章〜第11章の二部構成となっており、基本概念から、実際の体制作り、資料の収集と管理、その活用方法や著作権法の問題など、各章とも実例や経験に基づいて執筆されている。

 第1章「経営資源としてのアーカイブズ」は、企業アーカイブズについての概論的な内容でもある。

 「企業アーカイブズ」とは、企業史資料そのものと、それを管理・運営する組織の双方を指す。企業史資料とは日々の活動から生み出された記録物の中で、継続的な価値を持つ資料で、その「証拠」能力と文化的価値を活かし、今現在の企業の経営に、また今後の発展に、大きく貢献する唯一無二の貴重な経営資源であり、時には訴訟などの企業の危機を救う決め手にもなる。しかも素材は日々の業務で生まれるものだから、図書のような購入コストは必要ない。ただし有効に活用するためには、維持管理する組織(部署)と、アーカイブズに関する専門的な知識を持ったアーキビストが必要となる。

 アーカイブズを設置するにあたり、なにも新たに施設を整えたり、専門家を雇わなくても、既存の部署内で、配属された人が学びながら進めることも可能だ。具体的には以下の各章が参考になる。

 〈組織の体制作りや資料収集、管理業務〉については、第2章「「記憶」がつくる企業文化−構築と活用−」で、老舗大企業の事例を、第4章「機能としてのアーカイブズ−施設がなくても始められる−」では、地方自治体の文書館を例に、第5章「デジタル文書と企業アーカイブズ−担当者一名、しかも兼任、それでも可能なアーカイブズ−」では小規模の、兼任であっても整理・収集できるデジタル含めた社内文書の種類と収集について6つのステップで紹介している。

第6章「史資料の資源化」では、受入と収集、収集する史資料の種類、評価、整理、分類について、さらに具体的に紹介、第7章「史資料の管理」では、「企業活動の歴史を示す情報を、現在の事業活動に役立たせ、未来に残すために行う一連の活動をいう」と定義し、史資料の管理、デジタルデータの管理、アーカイブズ部門の管理業務に分けて紹介している。

 〈社史〉については、第3章「社史編集と企業アーカイブズ」で、社史が果たす3つの役割と、良い社史が備えるべき要件と作り方、そして活用方法について述べ、第9章「社史の編纂プロセス」では、実際の社史編纂の経験をもとに、企画から刊行までを4つのプロセスに分け、具体的に留意するポイントなどを述べている。

 〈情報発信〉については、第8章「情報発信とサービス提供」で、いかにタイムリーに情報を発信しうるか、社内向けと社外向けそれぞれの活用とサービス事例を紹介している。

 社史掲載や展示、インターネットでの情報発信等の際に、気をつけなければいけない〈著作権〉については、第10章「企業アーカイブズと著作権」で、著作権、パブリシティ権、商標権について、弁護士による解説がなされている。

 最後の章は、これから企業アーカイブズ設置を検討する会社の参考になるようにと、企業史料協議会会員でアーカイブズ体制を有する会社に対して、実施したアンケート調査の結果をまとめた第11章「組織・体制−企業アーカイブズ・アンケート調査結果を素材に−」で締めくくっている。

 もう少し事例が知りたい場合は、国内事例であれば、2010年の専門図書館協議会全国研究集会での基調講演「近代製鉄と資料保存」(講師:日本経済新聞社の松岡資明氏)、および第5分科会「味の老舗のビジネス・アーカイブ」での、虎屋、月桂冠、中村屋の3社の事例発表の記録が本誌243号(2010-V)に載っているし、海外の企業のアーカイブズ活用事例は、公益財団法人渋沢栄一記念財団実業史研究情報センター編『世界のビジネス・アーカイブズ 企業価値の源泉』(日外アソシエーツ発行 2012年)に多数紹介されているので、参考にされたい。

 まずは資料が失われてしまう前に、体制を整え、収集・管理、そして活用の仕組づくりに取り組むことが急務であり、大切だと思う。筆者が直接担当している訳ではないが、弊社のアーカイブズでも、配属された担当者が実務において、参考にしている一冊である。

凸版印刷株式会社 印刷博物館ライブラリー
山ア美和(やまざき みわ)
 

『情報管理』Vol.57 No.2(2014年5月号)の「この本!おすすめします」と題されたコラムに神奈川県立川崎図書館の高田高史さんによる「情報を身につける」が掲載されています。

この記事で高田さんは4冊の本を紹介なさっています。記事では『企業アーカイブズの理論と実践』に関して「組織の歴史を扱う立場の誰にも参考になるであろう」と述べておられます。

詳しくは下記のページをご覧ください。



書評本文HTML:https://www.jstage.jst.go.jp/article/johokanri/57/2/57_139/_html/-char/ja/

書評本文PDF:https://www.jstage.jst.go.jp/article/johokanri/57/2/57_139/_pdf



 

本協議会主催ビジネスアーキビスト研修講座講師を講座開設以来務めていただいている麗澤大学教授佐藤政則先生による企業資料管理に関わる資料が、同大学経済社会総合研究センターのWorking PaperシリーズのNo60として「麗澤大学学術リポジトリ」で公開されています。目次をご紹介します。

[目次]
はしがき
1. 寄稿:「企業アーカイブへの期待─歴史的資料で組織を支える」
帝国データバンク史料館編『別冊Muse-企業と史料-』2012年10月

2. 寄稿:「野心的ビジネスアーカイブの構築を」
日本経営協会『OMNI-MANAGEMENT』2012年2月号

3. 講義資料:「社内文書を歴史資料に整備し現在と将来に活かす─資料の収集、評価・選別、管理と活用─」
企業史料協議会 第18回ビジネスアーキビスト研修講座 2013年10月25日

4. 口述記録:「企業アーカイブへの提言 No.10
旧DNP年史センター"ねんりん"インタビュー 2002年7月23日取材

5. 口述記録:「史料の収集と管理および付属資料・三菱製紙での資料収集と整理」
企業史料協議会 第1回ビジネスアーキビスト養成講座 1992年5月28日

6. 口述記録:「銀行史の編纂および配布資料」
全国地方銀行協会調査部 第3回年史懇談会 2001年11月8日

全文はこのページの一番下のURLからご覧ください。(PDF 137ページ)

ワーキングペーパーに関する詳しい情報は

https://reitaku.repo.nii.ac.jp/?action=pages_view_main&active_action=repository_view_main_item_detail&item_id=517&item_no=1&page_id=13&block_id=29

をご覧ください。なお、こちらのURLはハイパーリンクとなっておりませんので、コピーの上、ご利用中のブラウザのアドレスバーに貼り付けてください。


 

印刷博物館ライブラリーの山崎美和さんによる「資料紹介」の概要を掲載いたします。

専門図書館協議会機関誌『専門図書館』264号(2014年1月)の「資料紹介」の欄(同号63-64ページ)に、当協議会編『企業アーカイブズの理論と実践』が取り上げられました。執筆者は印刷博物館ライブラリーの山崎美和さんです。

山崎氏は、

「『企業アーカイブズ』とは何か。何の役に立つのか。活用するために、具体的には何をすればよいのか。経営陣にも現場担当者にも、その手引きとなるのが本書である」
(同記事より引用。『専門図書館』264号、63ページ)

「残す価値がないと思われた資料でも、後に製品または事業改善の手掛かりになったり、裁判勝訴のための決定的証拠となることもあるので、経営者とアーカイブズの現場だけではなく、社内各部署の管理職にも読んで欲しい一冊である」(同64ページ)

と述べておられます。詳しい紹介は『専門図書館』264号をご覧ください。





 

学習院大学大学院の清水ふさ子さんによる書評の概要を掲載いたします。

全国歴史資料保存利用機関連絡協議会(全史料協)の会誌『記録と史料』24号(2014年3月)の「書評と紹介」欄に、当協議会編『企業アーカイブズの理論と実践』が取り上げられました。執筆者は学習院大学大学院の清水ふさ子さんです。
(同号68-70ページに掲載)

清水氏は、

「何といっても初の企業アーカイブズ実践本ということが大いに評価されるべきだろう。特に企業アーカイブズに関わっている人であれば”欲しい情報はこれだった”と思う担当者も多いはずである」

(同記事より引用。『記録と史料』24号、70ページ)

と述べておられます。詳しい書評は『記録と史料』24号をご覧下さい。



 

『日本経済新聞』2013年12月22日朝刊21ページに、当協議会編による『企業アーカイブズの理論と実践』が掲載されました。

「本書は企業アーカイブズの効用を分かりやすく説くとともに、実例をもとにどのようにすれば構築が可能かを解説した、まさに実践的な本」(同記事より引用)

との評価をいただいております。 

11月29日に9日間全講座が終了しました。全課程を受講いただいた9名の方に修了証を発行しましたのでお名前を掲載してご報告いたします。

アサヒグループホールディングス株式会社
     宮下 毅
株式会社高島屋
     高橋 宗久
株式会社高島屋
     田中 喜一郎
東京国立近代美術館フィルムセンター
     和田 泰典
凸版印刷株式会社
     川合 健生
凸版印刷株式会社
     前田 真
日本フィルコン株式会社
     青柳 右文
丸紅株式会社
     岩佐 美奈
ライオン株式会社
     市村 洋

どうも有難うございました。
(企業史料協議会・事務局)
 

11月29日応用コースの5日目(全体で9日目)が終了しました。内容の速報をお届けします。

 本年(第18回)の最終日となった応用コース5日目は、それぞれアーカイブズにかかわる施設をテーマとした2コマの講義で構成された。
 1コマ目は、たばこと塩の博物館(東京都渋谷区)の学芸部長である半田昌之氏による、「博物館の運営」をテーマとしたお話であった。1978年の開設時から同館の運営に携わってこられた一方、現在は公益財団法人日本博物館協会の専務理事も務められており、博物館全般の運営の中でとくに企業博物館に特徴的な部分について、実体験を踏まえてご説明いただいた。
 2コマ目は、企業資料をはじめ、古文書、経済学関係の古典籍や博物資料まで幅広く対象とする収集アーカイブズの事例として、東京大学経済学部資料室の施設見学を行った。東京大学大学院経済学研究科の特任助教である矢野正隆氏に資料室の概要についてご紹介いただいた後、資料閲覧室、荷解室、保存処置室、保存庫を参加者全員で実際に見て回った。

(記:大日本印刷株式会社 村田孝文)


 

当協議会会員(理事)・公益財団法人 渋沢栄一記念財団の松崎裕子氏作成。

 2013年度に開催された全国歴史資料保存利用機関連絡協議会の全国大会(11月14日〜15日、於:学習院大学)では、当協議会理事 松崎氏によるポスターセッションがおこなわれました。
 タイトルは「企業アーカイブズの意義と価値をいかに伝えるか?」。創立30周年以降現在までの企業史料協議会の体制や活動が概観され、当協議会編集の図書、「企業アーカイブズの理論と実践」も紹介しています。


 同ポスターが公益財団法人渋沢栄一記念財団実業史研究情報センター・ブログで公開されています。企業史料協議会の理解を深める参考にぜひご一読ください。
 

11月22日応用コースの4日目(全体で8日目)が終了しました。内容の速報をお届けします。

@ 企業アーカイブズでの資料保存と資料管理
     東京文化財研究所 佐野千絵先生
A 資料の劣化要因と保存対策
     特種紙商事株式会社 秋田若登氏

 今日は、資料を保存する際の場所や空間などの大環境の問題と、保存容器などの小環境の問題に分けての講義であった。

 佐野先生からは、資料保存の考え方が処置中心であった昔から、予防中心に変化していることをふまえて、劣化に大きな影響を与える温湿度の問題を中心に多岐にわたって教えていただいた。
 秋田氏には、紙の性質のことから保存容器に入れる効果、あるいは、保存容器の導入事例などをお話いただいた。
 
 全部をお聞きして、やはり前もっての措置の大切さが良くわかった。

(記:株式会社コスモスインターナショナル 岡田泰吉)
  

11月15日応用コースの3日目(全体で7日目)が終了しました。内容の速報をお届けします。

 「著作権について」 ライツ法律特許事務所・弁護士 伊藤 真

2コマ連続講義で著作権の基本情報や、年史制作、アーカイブに際し必要な着眼点など有益な話であった。事例を取り上げた講話部分はより具体的で、自分の過去の仕事で遭遇したことと照らし合わせて多くの疑問点が出てきた。たいへん興味深かった。

(記:凸版印刷株式会社 檜垣茂) 

11月8日応用コースの2日目(全体で6日目)が終了しました。内容の速報をお届けします。

 応用コース2日目は、社史をテーマとした2コマの講座であった。
 前半では、一橋大学大学院商学研究科の橘川武郎教授から、社史の役割、社史が備えるべき要件、社史(および社内の史資料)の戦略的活用、といった内容でのお話をいただいた。経営史の専門家として1980年代から多くの社史を執筆・監修してこられた経験にもとづいた、明快な講義であった。
 後半は、企業史料協議会の上田和夫理事による、花王株式会社在職時代に自ら携わった「花王ミュージアム」の設立と社史『花王120年』の編纂についての体験談であった。OBや社員へのヒアリングを活用して、トータル約1000ページの書籍版と約2時間の映像版(DVD)を刊行した当事者の報告に、受講者からもさまざまな質問が飛んだ。

(記:大日本印刷株式会社 村田孝文) 

11月1日応用コースの1日目(全体で5日目)が終了しました。内容の速報をお届けします。

@企業資料デジタル化の基礎と課題 
       株式会社堀内カラー 肥田康氏
A企業資料デジタル化のグループディスカッション
       尚美学園大学 樫村雅章准教授
       株式会社堀内カラー 川瀬敏雄氏 肥田康氏

 講座での初めての試みとして、2コマ目でグループディスカッションが行われた。通常は、講義の終了後に質問があって、答えるという形式であるが、今回はスタートから講師と受講者が自由に話し合うという形であった。肥田氏の講義は丁寧でわかりやすかったが、さらにその内容をふまえて、樫村先生を司会役に3人の布陣でテーマごとに理解を深める話し合いを受講者と行うという構成は成功であったと思う。
 それとは別に、全体として感じたことは、企業資料のデジタル化というテーマは範囲が広くならざるを得ず、やはり、デジタル化の技術的な側面と、デジタル(化)資料の管理の側面は別々に時間をとって行うという構成が良いのではないかということであった。

(記:株式会社コスモスインターナショナル 岡田泰吉) 

10月25日入門コースの4日目が終了しました。内容の速報をお届けします。

 「資料の収集、評価・選別、管理と活用」
  麗澤大学大学院 佐藤政則教授

 デジタル史資料の収集と管理の実際的なお話でした。今回は具体的な史資料を扱う上での基本的な考え方とそのステップの内容で、実務に携わる担当者にとっては良い指針になったのではないかと思います。企業アーカイブの取り組みにはスタンダードはなく、企業の実情や社風に合わせて形作られる、そこには「見栄はいらない、意地が必要」は私にはとても明快で印象的でした。
(記:凸版印刷株式会社 檜垣茂)

 

10月18日入門コースの3日目が終了しました。内容の速報をお届けします。

 入門コース3日目の前半は、記録管理学会会長を前に務められていた、出版文化社アーカイブ研究所の小谷允志所長を講師に迎え、主に現用文書を対象とするレコードマネジメント(記録管理)の現状に関しての概論をお聞きした。2011年に施行された公文書館理法の趣旨も踏まえつつ、現代の企業における記録管理の意義や課題について、事例を交えながらご説明いただいた。

 後半は、渋沢栄一記念財団の松崎裕子氏から、「企業アーカイブズとは」というテーマにズバッと切り込んだお話を伺った。国際アーカイブズ評議会(ICA)でも活躍されているお立場であり、海外企業のアーカイブズに対する取組みもご紹介いただきながら、企業のアーカイブズ担当者(企業アーキビスト)に求められる役割、果たすべき使命について、多面的に解説していただいた。

(文責:大日本印刷株式会社 村田孝文)

 

10月11日入門コースの2日目が終了しました。内容の速報をお届けします。

 明治時代から現代に至る「企業と史資料」について東京大学大学院経済学研究所の武田晴人教授のお話でした。史資料を考える入門編として過去の史資料の見方、取り組み方を考える興味深い講義でした。
 史資料から一企業の歴史の流れを省みるとき、国内外の制度上の変化や社会環境を頭に入れて史資料と向きあうことの重要性が講義のポイントのひとつのように思いました。明治時代から昭和は日本の産業界にとって環境が大きく移り変わった時代です。一企業に捉われた見方でなく、当時の社会情勢や通信環境からその史資料がなぜ作られたか考えることはとても意義深いことであり、そうすることで史資料は意味をなし、説得性のあるものになるのだということではないでしょうか。終戦後GHQの要請で将来各々の企業が何を手がけるのか求められたそうです。おそらく生き残りのために作文もあったのではないかと思いますが、先人たちが生き残りのためにおそらく懸命に努力したことと思います。ぜひ一度いろいろな企業のものを見てみたいものです。
 史資料への向き合い方は、過去資料にだけでなく、現在作られている資料にもあてはまることと考えます。資料はたった一年経つとどのような意味のものかわからなくなることがしばしばです。目まぐるしく変化するIT上で残される資料はなお更のことではないでしょうか。活かす資料として残すことの大切さはアーカイブに携わる人にとって重要な課題なのかもしれません。

(文責:凸版印刷株式会社 檜垣茂)

 


 
 
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